南越倶楽部(健康で文化的な大人のクラブ活動)
コンセプトペーパー:南越倶楽部における帰属とケアの実現(仮)
1. はじめに
現代社会において、孤独・孤立は深刻な社会問題となっています。核家族化や高齢化が進行し、地域社会のつながりが希薄化する中で、「どこかに属したい」「誰かとつながりたい」という人々の願いが一層強くなっています。南越倶楽部は、このような時代における新たな“帰属の場”として、人と人との関係性を再構築することを目指して誕生しました。その中心にあるのは、「互いに関心を持ち、気にかけることによって生まれるケア」という概念です。
2. 南越倶楽部の理念
南越倶楽部の基本理念は、「誰もが、無理なく・気軽に・自然体でつながれる地域社会の実現」です。人は本来、誰かと関係を持ちたいという帰属欲求を抱えています。その欲求が尊重され、応えられる場を作ることが、孤立を予防し、共生を可能にすると私たちは考えています。南越倶楽部では、支援する側とされる側という一方向的な関係性ではなく、相互にケアしあう関係を重視します。それは、日常的でありながら、深く人を支える“関係性としてのケア”です。
3. 帰属のデザイン
帰属感は偶発的には生まれません。意図的に設計された仕掛けと、人の関わりによって育まれます。南越倶楽部では、以下のような要素によって帰属感の形成を図ります。
- - 開かれた空間設計:看板や入口を開かれたものにし、「ちょっと寄ってみようかな」と思えるような工夫をします。
- - 役割の提供:参加者一人ひとりに「何かを担う機会」を用意します。皿洗いや受付など、ささやかながら自分が必要とされていると感じられる役割が大切です。
- - 記憶の共有:地域の昔話、家族の記憶、戦後の暮らしなどを語る「聞き書き」活動を通じて、記憶を共有し、世代を越えたつながりをつくります。
- - 対等な関係性:年齢や立場に関わらず、誰もが敬意をもって迎えられ、話を聴かれる関係性を目指します。ケアは常に双方向です。
4. ケアのかたち
南越倶楽部におけるケアは、「制度としてのケア」ではなく、「日常のなかのケア」です。それは、他者に関心を寄せる、見守る、気にかけるといった、当たり前の行為に根差しています。こうしたケアの具体例として、次のような活動を展開しています:
- - 語り合いの会・聞き書き:話すこと、聴くこと自体が癒しや理解につながります。
- 学びの機会:健康や文化に関わる学びの機会を提供するとともに、他者と交流できる場を創出します。
- - 共に食べる場の提供:月に数回、地域の人々と共に食事をとることで、心と身体の栄養を満たします。
- - 生活支援・同行活動:近隣への買い物同行や散歩の付き添いなど、ちょっとした支援で孤立を防ぎます。
- - 専門職とのゆるやかな接点:看護師やケアマネジャーなどの専門職も利用者として関わり、必要に応じた支援が自然に得られる環境を整えます。
5. 今後の展望
南越倶楽部は、単なるコミュニティ活動の枠を越えて、社会のインフラとして機能する可能性を秘めています。今後は以下のような展開を目指しています:
- - 自治体や大学との連携強化:地域包括ケアや孤立予防の政策モデルとして、連携調査や実践研究を推進します。
- - ケア人材の育成と普及:地域住民の中から「聞き書きボランティア」や「見守り支援者」を育成し、再現性あるモデルに発展させます。
- - 多世代・多様な人々の交流拠点化:障害の有無、年齢、国籍に関係なく誰もが関われる拠点として、多様な人々の居場所となるよう取り組みます。
以上、未定稿